先日、温泉旅館のチェックインまでに若干時間があったので、1936 年築で2006 年に国の重要文化財に指定された某実業家の別邸を訪れた。
桂離宮に感銘を受けたドイツ人の建築家が和洋折衷でデザインした地下室の内装がウリなのだが、私の感想は一瞥して「醜悪」ただただ「醜悪」
この施設は完全予約制で所要 90 分のガイドを付けないと入館できない。全く趣味に合わない珍妙な木造二階建ての物件について長々と「如何に優れているか」という高説に付き合わされるのは苦痛以外の何物でも無い。千円の入館料は罰金として甘受するが・・・(先月行った入館料 200 円の江戸東京たてもの館で見た幾つかの建物や内装には眼福があった)。
帰ってきて調べたところ、説明書きでは世界的に高名な建築家、という事になっているけれど「world famous architects 20th century」で検索しても一向に出てこない。また、この記事によれば「<前略> 日本人はこれを見ても全然よいと思わなかったのです。<中略> 彼が亡くなったときの追悼の会でも、まだこの建物は悪口をいわれたというくらい評判が悪かった。<後略>」。続けて、誰に忖度したか「(これは当時、日本で評判の)コルビュジエらとは全然違う日本趣味の変なものに見えたという(だけの)こと」と記しています。
いやいや、時代を超えて今でもコルビュジエの作風(国内だと上野の西洋美術館)とは無関係に、十分、独善に満ちた「変なもの」であると私には見えましたよ。
何故、かような評価のある建物が(補修に国税が使える ― 実際、お披露目時に3 億使った )国の重要文化財になるかね?